バーチャルチームとは最近のIT技術やオンライン技術の進歩によってそれが可能になったのですが、今までの常識的な意味でのチームと何が違うのかと言えば、各メンバーが日常的に顔を合わせるような環境にはなく、それぞれが離れた場所にいるにも関わらず一つのチームとして立派に機能しているものを指します。別に過去の常識に必要以上にとらわれることはないのですが、各メンバーが日常的に顔を合わせる環境にあるのが当たり前であったのは何も偶然ではありません。何らかの共通の目標を持って、お互いに協力し合いまた切磋琢磨しあって目標に向けて頑張っていくためには、ただその目標だけがポンと与えられれば良いわけではないのは小学生でも分かることです。人間の集団が共通の目標に向かって協力するためにはお互いの信頼関係が構築されていることが前提であり、そのためには日常的なコミュニケーションは欠かせません。
このようなチームビルディングを対面ではなく遠隔地であっても行えるようになったのは、冒頭にも書いたようにIT技術の進歩によるものですが、電話だけではなくWeb会議などもさして制限なく容易に行えるようになり、ソーシャルメディアも誰でも当たり前に使うようになったりして、対面での対応と変わりないくらいのしっかりした繋がりを持てるようになったことが大きいわけです。さらに言えば、遠隔地とは海外も含みますから、この場合は文化的な違いなどさえも乗り越えて信頼関係を築くことを含んでおり、考えようによっては日常的に顔を合わせる範囲内で構成された組織よりも、大きな成果を生み出せる可能性を持っています。世界中のどこにいても、組織にとって必要な優秀なメンバーをスカウトできるようになっているとも言えるからです。
バーチャルであってもチームが立派に機能するために必要なことは従前と何ら変わりません。ただ、目の前には相手がいないので何らかの形で別の方法によってそれを達成する必要があるというだけです。顔を見ながら話せるWeb会議は非常に有用な手段ですし、世界中のどこにいてもメンバーが共通に利用できるストレージを持つこともできます。言語については対面であっても結局は同じであり、言葉の壁は自分たち自身あるいは通訳を利用するなどして乗り越えなければなりません。他に気になることと言えば時差の問題があり、これは異なるタイムゾーンで生活している海外の人との間のコミュニケーションでは互いに配慮が必要です。