いくら優秀な社員がいても、一人の力で部署の業績を上げるのは困難です。そこで多くの企業が職場のチームコラボレーションに注目するようになりました。すでに積極的に取り入れている職場も多く見受けられますが、著しい成功を果たしたという事例は多くありません。その原因として、チームコラボレーションの意味を正しく理解していないことが挙げられます。
基本となる意味は、個々が持っているノウハウやスキルなどを組み合わせることにより、業績の向上につながる取り組みを推し進めていくことです。つまり、本当に意味でチームワークが求められることになります。しかし、日本にはチームワークに対する誤解が蔓延しているのが実情です。集団で協力するという意味で浸透しており、主にスポーツなどにおけるチームの団結力を指す言葉として用いられます。うまくプレイの連携を成功させたときに、それを賞賛する言葉としてチームワークという表現を使うことが多いです。たしかに間違いではありませんが、それはチームワークのほんの一端を表現しているに過ぎません。ビジネスシーンではもっと具体性のある言葉として用いられます。
現代の企業では、プロジェクトなどの大きな業務は細かく分けて社員一人ひとりに割り当てていくのが一般的です。そして個人は独立しながらも、互いの不足を補い合いながらチームの一員と貢献します。相互作用によって長所を引き出させるには、リーダー的なポジションに就く人が個々の能力を十分に理解して、適切に仕事を分配しなければなりません。その前提として全員が目指すゴールをしっかりと定義することが大切です。しかも、全員が十分に理解して曖昧な要素を失くすことが求められます。そうやって舵取りをすることが欠かせませんし、不適切な依存の関係を解消していくことも重要なポイントです。あくまでも相互にサポートすることが重要であり、一方的に頼る関係が成立していると遅かれ早かれチームは破綻することになるでしょう。
チームコラボレーションが失敗している職場では、上記のような基本的な知識があまり普及していません。これから取り組むのであれば、職場の社員がそれぞれ存在価値を持って影響を及ぼし合えるようにしましょう。最初は役割の線引きを明確にし、個々の役割を自覚させて仕事に打ち込めるようにする必要があります。失敗を避けたいなら、そのうえで協力し合える雰囲気を醸造していくのが望ましいです。