会社などにおいて何故人材育成が必要なのかといえば、より良い製品・サービスを開発・提供するためには、やはり良質な人材が欠かせないからです。
近年の日本の企業においては、どちらかといえば人材育成をあまり重要視しないような傾向がありました。中核的な業務に関しては自社雇用社員で当たるけれども、会社の運営にあまり重要ではないような周辺業務に関しては、どんどんアウトソーシングを行っていくという考え方が主流になってきていました。今もこの傾向は続いているかもしれません。業務を外注化するということは、自社では人材育成を行わないということになります。
このような会社運営の仕方は、一見効率的なように見えるため、実施する企業がたくさんありましたが、最近このようなやり方が果たして効率がいいのか疑問の声も上がっており、人材を自社で雇用してしっかり育てた方が良いのではないかという風潮も出てきています。仕事の外注化といいますが、仕事というのはやはり組織で行うもので、チームワークは欠かすことができません。人材派遣サービスなどを利用して外部からスタッフを供給してもらったとしても、その人が本当にその派遣先の会社で能力を発揮してもらうには、派遣先の会社のルールなどを研修などを通して教え込む必要があるでしょう。どんなに適応力のある人でも、勤務環境に慣れるためには一定の時間が必要になります。
それならば自社で人材をちゃんと雇用して育てた方が、効率がいい場合もあるのではないでしょうか。そして派遣サービスなどを利用すると、どうしても組織力が弱くなるのは否めません。正社員と派遣社員との間に見えない壁があって、組織内がぎくしゃくすることだって珍しくありません。このような状況になると、コミュニケーションが上手くいかずに、働くモチベーションの低下をもたらしてしまう可能性もあります。そうなると生産性低下は避けられません。コミュニケーションの機会をしっかり確保し、モチベーションを向上させるためにも、自社で人材を雇用してきちんと教育していくことは重要なのかもしれません。安易なアウトソーシング化の流れにより人事部が軽視され、会社のチームビルディングが上手くいかない企業が増加しています。
企業も所詮は人間組織なわけで、チームワークが弱くなれば瓦解へ向かうのは必定でしょう。人材育成というのは企業の組織づくりの根本となるものですから、けしておろそかにはできません。長期的な企業発展のために、しっかりと人材育成していくべきです。